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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


世界最大のビール会社InBev 、嘘の苦味とレイオフの後味

Posted to the IUF website 21-Mar-2006





あなたがビールを飲むならば、世界のどこにいようと、InBevの顧客といって間違いない。ステラ・アルトワーズ、ブラマ、ベックス、バス、レフィー、ラバット、ヒューガルデンはこの巨大ビール会社の所有する200以上のビールブランドの一部に過ぎない。この巨大ビール会社は2004年にベルギーのインターブリューとブラジルのAmBevが合併してできたものだ。InBevの企業スローガンである『世界の地元醸造所』からは、賞に輝くビールの陰には、何百年もの伝統の知識、醸造所親方の職人芸への敬意、地元社会の継承遺産の保存への献身があると思うかもしれない。ちょっと考えてみてほしい。InBevの企業戦略はプレミアムブランドを購入し、元からあるビール醸造所の再編を行い、そして経費削減のためにこのビール醸造所を工業的なビール工場に集約化する上に築かれている。世界最大から世界一の利益を上げるビール会社にInBevを導いたのは経費削減だった。この途中で、同社は権利を踏みにじり、生活を打ち砕き、約束を破棄してきた。

InBevの企業風土にビール労働者は驚かない。AmBevは買収を通じて会社のポジションを確立した。この買収の過程で、何千ものブラジル労働者が職を失い、社会保障もなかった。今や、InBevの非情な利益追求が西ヨーロッパに打撃を与え、労働者との約束を破り、レイオフや破壊の醜悪な記録を残している。

重役の高額な退職金と約束違反

2002年に経費削減の波がボディントンを襲った時、英国の最高経営責任者スチュワート・ジリランドはIUF加盟労組のT&Gに対し、マンチェスターのボディントンは維持すると約束した。3年後、この生産はサウスウェールズのプレストンビール工場に移転され、歴史を誇るマンチェスター醸造所は閉鎖された。

閉鎖は今ベルギーを標的にしている、ベルギーはInBevの前身、インターブリューの醸造の本国だ。同社はヒューガルデンとベルビューの醸造の歴史を終了させる決定をした。このすぐ後に約3000名の市民と政治家が閉鎖に反対する大規模デモにInBev労働者に加わった。InBev経営者は、ベルギーの労組に社会保障の交渉中は解雇を行わないと約束したにもかかわらず、リストラの結果、余剰人員として整理される労働者の氏名を公表した。この生産はジュピル醸造所に移転されることになった。ボディントンと同様、このふたつのベルギーのブランドの売上げは非常に良い。伝統的な醸造所ではなく数少ない工業的なビール工場で賞に輝く数種のブランドを生産するという会社の選択により、ベルギーの232の雇用が失われる。株主は満足だ。2月24日にInBevは市場の予測を超える収益の15.3%上昇、収益総額33億ユーロを発表した。同時にベルギー、ドイツ、ルクセンブルグ、ハンガリー、チェコ共和国で360の職が失われると発表した。これにさらに余剰人員整理が続くかもしれない。雇用と醸造の伝統遺産を犠牲にして経費が削減される一方で、同社は最近、トップ重役ジョン・ブロック、スチュアート・ジリランド、パトリス・タイスの退任の際に総額3100万ユーロの支払いを行った。しかし、InBevは労働者に長期計画を公表することを拒否し、発表されたリストラの欧州の社会的枠組みに関して組合との交渉を拒否している。

会社に富を築いた伝統的な醸造所を閉鎖し、InBevは約束と義務を違反するというパターンを忠実に守っている。

モンテネグロの事件

インターブリューが1997年にモンテネグロ、ニクシックのTrebjesaビール醸造所を買収してから数年後に、この醸造所の平均月給が321ユーロから87ユーロに落ち、547名の労働者のうち243名が解雇された。工場の労働者は長い間Trebjesaビール醸造所自治労組(SDSPT)によって組織化されていた。労組は当初従業員数と給料に関するインターブリュー経営者の攻撃にうまく抵抗することができたが、2度ストライキを打たなければならなかった。劇的な賃金カットを制限するには労働争議が欠かせず、最終的に労働協約を交渉するというインターブリューの約束を書面で得ることができた。しかし、インターブリューは署名した合意を守らず、交渉を拒否した。そしてこの労組は2002年5月に3度目のストライキを行わなければならなかった。インタブリューはロックアウトでこれに対抗し、組合つぶしを目的にストライキ参加者を50名以上解雇した。この中にSDSPTの委員長Bozisar・Perovicも入っていた。

ドゥブロブニク合意

モンテネグロの労働争議が解決せず、会社のイメージにマイナスになったため、インターブリューはIUFの提案に応じ、解決の交渉のためにクロアチアのドゥブロブニクで2002年9月にIUFと会った。IUFのベルギー加盟組合CCAS-CSCとベルギーのインタブリュー労働者を最も多く組織化しているFGTB-Horvalの代表も出席した。インターブリューはTrebjesaビール工場の苦しい4ヶ月間の争議を終了させ、給料の交渉を再開することに合意し、303名のビール労働者は再び賃金を受け取ると保証した。インタブリューは、組合員とストライキ参加者をいかなる差別、罰則からも保護し、ストライキ委員会の15名の指導者に対する停職処分の解除と法的手続きの取り下げに合意する文書に署名した。この合意書はこの後職場に戻ったTrebjesa労働者によって承認された。インターブリューは合意書の内容をすべて守ると保証した。

法律の上の企業

インターブリューはこの約束を守らなかった。他のストライキ参加者は職場復帰したものの、組合委員長のPerovicはこの権利を否定された。2003年と2004年にモンテネグロの裁判所でインタブリューは2回有罪とされた。この裁判でPerovicの解雇は違法であり、失われた収入を補償し、即座に職場復帰させるように命令が下された。しかし組合権とモンテネグロの法律は同国で最も重要な海外投資家のひとつと見なされる会社から深刻に扱われなかった。会社は自分たちで勝手にどの法律を遵守するかを選択できると思っている。その結果、組合委員長PerovicにはインターブリューTrebjesaで雇用は見つからなかった。この間、彼は再選され、組合の地位が確認されたので、厳密にはまだインターブリューの従業員である。工場は定期的に新規採用を行っているにもかかわらず、現地経営者はPerovicの以前のポジションはなくなり、彼の技能では他の採用の資格がないと主張している。

Perovicは、インターブリューで34年の勤続経験があり、年間最優秀従業員賞を2回受賞している。彼は2005年4月に強制休暇を取らされた。現地経営者の非公式の話によると、InBev本社が彼の復帰を許さず、ビール工場に戻るチャンスはないというものだった。2005年6月6日、Perovicは職場に行ったが、また家に帰された。2005年11月まで停職処分になり、また余剰人員として解雇された。彼の職場復帰を経営側は承認していないため、これは驚くべき経営者の行為である!インターブリューは単にモンテネグロの労働裁判所の判決を無視したのだ。

InBevの『素晴らしい人事経営』の背後にある真実

インターブリューは国際的に認知された労働基準を侵害しているだけではない。IUFとふたつのベルギー労組と結んだ合意にも侵害している。IUFは説明を求めた。InBevは2005年の後半にブリュッセルでIUF書記長ロン・オズワルドと会うために人事部長マーク・クローネンを送ってきた。会議で、クローネンは繰り返し、InBevの素晴らしい人事経営のモデルを引き合いに出した。そして、Perovicが違法に仕事から外されていた期間の給料を受け取る権利と会社の不名誉な処遇に対する公正な賠償に関して返事を持ってくると約束した。

クローネンが約束した返事は来なかった。InBevはベルギーの労組に対して、Perovicは賠償金を支払われると伝え、それで終わりになった。Perovicの雇用は再び2006年1月に終了され、提案された賠償金額は19.185ユーロであった。彼はこれを拒否した。この金額は、世界で最大のビール会社、2005年の収入が合計116億5600万ユーロの企業が組合委員長を追放するために支払うという金額である。

Perovicの闘争はまだ終わっていない。彼と家族はIUFと加盟組合が組織した国際連帯で暮らしている。彼は今でもInBev-Trebjesaの選出された組合委員長である。新しい組合選挙が2006年春に行われる。労働者は会社から彼を再選しないように圧力をかけられている。もし、Perovicが再選されなければ、InBevは国際法およびモンテネグロの法律を刑事面積で侮れることを誇示するだろう。

InBevの2004年の企業市民報告書によると、『InBevは労働組合などの組織に加入する従業員の権利に関して、操業地の異なる法律枠組みを尊重する。結社の自由と労働協約を尊重する』とある。ビールを生産する者にとって、InBevブランドがこれほど苦かったことはない。


今、行動を! あなたができること

InBevのレイオフ、組合権の侵害、署名合意の侮辱、歴史的な醸造所の閉鎖はもうたくさんだ。

  • 以下を要請して InBev経営者にメッセージ送付 : (このキャンペーンは終了しました。-2007年6月)

    � 現地経営者による嫌がらせや報復からTrebjesaの組合員とストライキ参加者を全面的に保護すると保証する2002年ドゥブロブニク合意の実施
    � モンテネグロビール組合委員長Boziar・Perovicの職場復帰と100%、公平で適正な賠償金を与えるという署名した合意を守る。
    � ヒューガーデンとベルビュー醸造所の組合と雇用確保、醸造の多角化と地元文化継承遺産について実のある交渉を行う
    � 会社のヨーロッパの長期計画について明確で具体的な情報を組合に提供し、ヨーロッパ事業のリストラの欧州規模の協定に関する交渉を行う。


    あなたのメッセージの写しはIUFに送られる。
    皆さんの支援に感謝します。