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IUF世界総会、今後の闘争と目標を定める

19.07.12 Feature
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『組織化、闘争、勝利!』をスローガンに、ジュネーブで5月15-18日に開催された第26回IUF世界総会は、IUFの歴史上で最大規模の代表が集まり、参加、意欲、連帯の精神が際立っていた。

すべての地域とセクターから、393名の代議員(2007年から増加)が総会に参加した。

総会は、4つのテーマを中心に置き、各テーマで、加盟労組が自ら及びIUFを強化するため組織化、闘争、勝利するための具体的な目標が定義された。『組織化し、不安定雇用に対する闘争に勝利する』というセッションでは、IUF加盟労組が、あらゆる形態の不安定雇用の広がりを撲滅することを、組織の、そしてより広い労働運動の闘争の中心として捉えている実態を示した。総会では、不安定雇用労働者の組織化と、これらの労働者を労働協約の適応範囲に含める闘争で、こうした雇用の増加に組織的に取り組むIUFの会社内活動を強化する提案が承認された。いかなる組合も不安定雇用の拡大を促進し、現行保護を取り除く立法努力に対して政治的に効果的に闘うために団結しなければならない。書記局や代議員の発言およびプレゼンテーションの中で、労組は、組合員数減少の巻き戻し、不安定雇用の直接常用雇用置き換えで、団体交渉力を再構築するために、組織化の成果を上げていることが示された。使い捨ての仕事と組合の無い職場が増加している状況に直面して、IUFおよび加盟労組は、より効率的に調整し、努力しなければならない。

組織化は、不安定雇用の広がりを逆行させるために、IUFとその加盟組合が直面するあらゆる課題と共に多くのIUF組合員が存在する、または組織化が必要な大手多国籍企業に対する勢力としてIUFを実際に力を持つ国際勢力にすることである。多国籍企業とセクター両方を組織化するには、組合員の擁護と新組合員組織化のために迅速かつ効果的に対応できる十分機能的な、統合した、闘志ある組織が必要である。より多くの会社と関係を構築し、承認を勝ち取るには、組織化活動と女性代表の強化が重要である。

インドネシア、パンジャンのネスレ工場の解雇組合員を擁護する『我々がその53人』キャンペーンの立ち上げと関連キャンペーン基金が強力な支持を受け、IUFの多国籍企業活動の意欲と連帯の文化が強調された。パンジャンの争議は、総会後1週間もたたないうちに組合の全ての要求が受け入れられ、解決した。また、総会では、世界中の他の多くの企業やセクターの新たなあるいは現在の組織活動および連帯キャンペーンの支援に票が投じられた。

企業内及びセクター内の組織化は政治的空白が存在する場所では実現せず、概してIUFと労働者が直面する主な課題は事実上、全面的に政治的なものである。労働運動の従来の連盟の多くは新自由主義の総意に吸収され、規制緩和政策を実施する主要機関となり、新たな緊縮政策の中核である生活水準と公衆利益と福利に対する大々的な攻撃に対して労働者の利害を擁護することができなかった。政治はますます民営化され、右派も左派も政党は政治的プロセスの外で下った決定を実施するばかりであるため、民主的参加と民主主義の代案の余地が急速減少している。政治的に勝利することが闘争の重要なプログラムの鍵となり、また公共サービスの維持と拡大を積極的に求めることと、従来の組合や政治的な枠組み以外から発生した、金融支配と緊縮に挑戦する草の根運動のような新しい連盟の構築を意味する。バーレン、エジプト、チュニジア、アルジェリアの労働組合活動家のアラブの春に関する特別発言者は、労働運動が民主闘争の保証人および触媒としての中心的な役割を果たしたこと、そしてアフリカ、中東、そしてもちろん世界の他の場所でも労働者と民主主義擁護者が未だに直面している多くの問題を強調した。

飢餓や栄養失調に苦しむ多くの人々が食料生産者であり、また広がる環境破壊と加速する企業の資源独り占めで食料制度全体が危険にさらされている飢餓の世界で、食の権利と持続可能な食料制度を求めて組織化及び勝利することが、依然としてIUFとその加盟組合にとって中心的な課題である。ディーセントワークと生活賃金は、持続可能な食料制度にとって欠かせないものである。労組は、食品労働者のために生活賃金を勝ち取り、農業労働者の組合を強化し、あらゆるレベルで持続可能な食料制度を交渉する組合能力を構築し、食の権利の擁護と万人の飲料水へのアクセス、あらゆる段階で食糧保障を強化するための規制および政策変更を求める闘いで、主要な貢献を果たす。

総会全体を通じ、多くの代議員の参加と発言があった。女性代表は、特に投票権を持つ女性代表は、2007年総会の28%から本総会では、39.9%に増えた。これは、一部、2007年の規約改正で、少なくとも40%の女性代表を義務付けた結果である。

IUF運営機関の選挙で過去の継続性が維持されると同時に新代表が選出された。ロン・オズワルドとハンス・オロフ・ニルソンが、それぞれ書記長と会長に満場一致で選出された。