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タックスヘイブンが富裕層を肥やす一方、その他の者は緊縮の被害者

27.07.12 Editorial
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G20の指導者たちが、2009年4月の危機サミットでタックスヘイブン廃止の公約をしたが、新しい調査でタックスヘイブンが今まで以上に隆盛をきわめていることがわかった。

労働者が支出の切り詰めを説かれ、年金と公的サービスが容赦なく削られる一方で、世界で最も裕福な投資家たちは、32兆ドルを彼らの国の税務署から隠蔽した。これは世界の貿易・サービスの年間総生産、世界のGDPの45%に相当する。

The  Price of Offshore Revisited (報告書の題名) は、国際決済銀行とIMFのデータの慎重な調査に基づいており、不動産を含む非金融資産を除外している。つまり、この犯罪の範囲は事実上更に大きくなる。このオフショア経済は、富と収入の不平等性や国民所得と負債の比率に大きな影響を与え、また最も重要なことに、源泉国の税基盤に非常に重大なマイナスの影響を与えるのに十分な規模である、と著者は結論づけている。

世界の人口の0.001%に相当するわずか92,000人がこの税金がかからない秘蔵の富の半分を握る。「占拠運動」で使われる表現で言えば、我々は99.999%である。
オフショアのタックスヘイブンを排除しようという議論は、ゴードン・ブラウン前イギリス首相がタックスヘイブンは廃止の方向に進んでいると宣言し、OECDが従順にもこの不条理な宣言を確証する文書を作成して以来、公共の議論から消え去った。緊縮は、実際に金がないと主張できる時の方が簡単に容認される。再びこの問題とその金を公共の討論の中央に据える時が来た。そして今こそ、多国籍企業が振替価格操作とその他の会計上のからくりを使って当局からどれだけの課税対象収入を隠しているかに注意を向け、この調査をフォローアップするべきである。