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規制当局を規制する?欧州連合において提案された農薬承認に関する新たな対策

11 March 2019 Editorial
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欧州連合におけるグリホサートの再承認を阻止するキャンペーン は、グリホサートを禁止することはできなかったが、公衆衛生および環境の保護を目的とした規制機関に対する農薬業界の支配力を燦然と露呈した。キャンペーンの余波は続いている。

モンサント・ペーパー の暴露に続き、世界で最も普及している除草剤の、 EUによる滑稽な再認証 に対する民衆の怒りを良い方向に導く効果的なキャンペーンを受け、欧州議会は昨年、EUにおける農薬の使用を認可する手順を検証するために害虫駆除(PEST)特別委員会を設立した。2018年12月に発行され、今年1月16日に国会の党派を超えた圧倒的多数によって承認された委員会の報告書は、承認プロセスの失敗を複数列挙した。その失敗には、WHOの癌研究国際機関が グリホサートを発がん性物質の可能性ありと分類するように導いた、公開され同業者によって審査された、独立した研究とは明らかに対照的な、毒性の証拠がないことを示す業界独自の(未発行の)安全性評価研究への依存、実社会の状況下におけるテストやフォローアップテストの欠如、慢性的な毒性の無視、恒例となった透明性の欠如等が含まれる。( 報告書はここから入手可能。 全文を読む価値あり。)

1月16日の投票のわずか数時間前に、欧州議会の社会党や民主党、緑の党、欧州統一左派・北方緑の左派同盟の下院議員の連盟から委託された 研究の成果 が発表された。この研究は、欧州食品安全機関(EFSA)がグリホサートの再認可を決定した、ドイツのリスク・アセスメント研究所によって作成されたグリホサートの安全性評価に、モンサント・ペーパーから引用されコピー&ペーストされた文章がかなり多く見受けられたことを確認した。それにもかかわらず、EFSAのスポークスマンは、「EFSAはグリホサートに関するそのリスク・アセスメント・プロセスと結論の整合性を支持する」と述べた。

欧州の機関が複数のスキャンダルにより高まっている圧力に晒されていることを受け、2月11日、EU理事会と議会は、農薬を含むフード・チェーンにおける製品認可のリスク・アセスメント手順を大幅に改訂する措置について「暫定合意」に達した。新しい手順は、最後まで遂行されれば、部分的及び予備的だとしても、グリホサート・キャンペーンにとって大いなる成功となる。これらの手順はPESTの勧告(およびヨーロッパ市民のイニシアチブ要求)を満たしていないが、農薬のロビイスト達を公的規制機関から引き離すための“てこ”となり得る。

 新たな手順( 欧州委員会の概況報告書を参照するにはここをクリック)が提案されて、承認/再承認の要求に対し、機密の産業報告書に基づき目くら判を押させるため、製造業者が一方的に報告担当加盟国)指定することはできなくなる。安全性評価は、認可を求める製造業者によって引き続き提供されるが、報告書は公開され、アクセス可能になり、精査と説明の対象となる。

他の措置の中でも、EFSA運営理事会の手順の変更には、市民社会、加盟国、欧州議会に対するガバナンスの役割が含まれる。EFSAは、EUの予算で賄われている独自のリスク・アセスメント研究を依頼する可能性がある。

悪魔は細部に宿る。公の監視を拡大するためのそれぞれの潜在的なプレッシャー・ポイントは激しく争われるであろう。例えば、業界の調査を疑う根拠の確立、「ステークホルダー」の特定、「協議」プロセスの定義、透明性の確保とフォローアップ等である。

悪魔は細部に宿る。公の監視を拡大するためのそれぞれの潜在的なプレッシャー・ポイントは激しく争われるであろう。例えば、業界の調査を疑う根拠の確立、「ステークホルダー」の特定、「協議」プロセスの定義、透明性の確保とフォローアップ等である。農薬規制に関する科学のための市民 連携の早期の支持者であった。これらの努力は全て、欧州議会議員の77%によるPEST報告書の承認に繋がる政治的な気運に貢献した。

 

門戸は開かれた。しかし、農薬に関するロビイストはそれをシャットダウンするかのごとく猛烈に活動している。最も有害な農薬の即時禁止、農薬使用量の目標値までの削減、そして社会的・環境的に持続可能な農業へ移行するための包括的な支援に向けて、今こそ国内、欧州、国際レベルで可能な限り広範囲での組織化に踏み出す時である。