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COVID-19:WTO-FAO-WHOは食品サプライチェーンの重要な繋がりを無視する

24.04.20 Editorial
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3月31日、世界貿易機関(WTO)と国連世界保健機関(WHO)、食糧農業機関(FAO)は共同で、COVID-19危機において国境を越えた国際的な食糧供給が滞らないように、また世界の農業を支える移民労働者の流れが妨げられないよう国際的協調行動をとることを求めた。これらの機関の「責任」を求める主張の中で、食糧安全保障が依存している農業労働者の生命や安全、生計を守るための行動の提唱が全くないという、極めて無責任な欠陥を強調するために、IUFはこれらの団体に対し書簡を送った。

 

4月1日にFAOとWHOに宛てた書簡の中で、IUFは、COVID-19危機における食糧安全保障、労働者の安全衛生、そして公衆衛生が収束すると強調している。国境が閉ざされ市場が崩壊していく中、これらの機関は、通常は「未熟な」、搾取可能な使い捨てと考えられていた労働者が、実際には必要不可欠な存在であると発見している。ところが、彼らは必然的な結論を導き出せていない。食糧保障を守るには、あらゆる規模の農場やプランテーション、果樹園、温室、酪農や乳製品の生産でお金のために働いている約5億人の男女を含む食品労働者を守るための協調的な行動が必要である。

 

我々は書簡の中で、「命を救い、公衆衛生と食糧安全保障を守るための基本的な手段として、農業労働者の適切な保護と安全な労働を確保するために、各国政府や国際機関からの大規模な制限のない資金を直ちに利用できるようにしなければならない」と述べた。労働者が、寝食を共にする際の隔離スペースや社会的距離を確保した適切な住居、飲用水や仕事中・仕事外の適切な衛生設備、無料のヘルスケア、安全な交通手段、安全な労働慣行、収入を確保するために、緊急の取り組みが必要である。「これらの保護措置は、多くの経験の浅い労働者が、危険な労働慣行や安全でない住居や交通手段に加えて、設備が不十分な農作業に放り込まれ、経済的・社会的に食い物にされる危険性がある状況では、より一層緊急性が高い。」

書簡では、長年切望されたこれらの措置は新しいものではなく、ILOの基準に基づいていると強調している。ILO、FAO、WHO間の協力と調整が不可欠である。食物連鎖全体における労働者の健康や安全、収入、社会保障を守ることは、公衆衛生を守ることと同様に、食糧安全保障を守るために不可欠である。書簡は、協調行動が緊急に必要であり、IUFとその加盟組織はあらゆるレベルで積極的に参加する権利を要求すると締めくくっている。