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リークされたテキストが証明:TTIPは民主主義を脅かす貿易協定である

21 June 2016 Editorial
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5月2日にグリーンピース・オランダによって発表されたアメリカ―EUの「自由貿易」協定の内密の草案文書は批評家たちが当初より主張してきたことを改めて証明した。TTIPは民主主義を脅かす貿易協定である。

条約の交渉はアメリカとEUの間の歴史的低水準の関税を減らすことには焦点を当てていなかった。完成したが、まだ批准されていないTPPEU-カナダ包括的経済貿易協定(CETA)のように、TTIPの主要な目的は政府の規制する権限を制限し、新しい規制イニシアチブを防ぐためにそのシステムを固定することですでに相当大きな多国籍企業の力をさらに拡大させるものである。

リークされた章(推定される全24章のうち13章)は企業の略奪行為から労働者と消費者の健康と安全、そして環境を守るための法や規制を採択、施行する政府のすべてのレベルにおける能力をどのようにTTIPが弱体化させるかを示している。

基準を低くし、それらを低いまま保つ単刀直入の手段は規制調和に関する章である(EUの交渉人が呼ぶところの「規制協力」、アメリカの「規制の一貫性、透明性、そしてその他の良い規制慣行」である)。すべての規制提案はそれらが貿易と投資に与えるインパクトを評価され、「最小限の負担」となる要項(規制がないことが基準)に準拠せねばならず、費用/利益分析をされねばならない。政府は彼らが採用しようとするすべての規制案を事前に提示することが求められ、草案作成とそれらをレビューするプロセスに、関心のある「個人と法人」(企業)を参加させることを保証しなければならない。どんな規制も企業が法人として有害と思えば、いかなる規制の修正や無効を「申し立てる」ことができる。EUの法律に制定された予防的原則はEUの草案にはどこにも言及されておらず、その代わりに「同等の規制法の相互認識」と提案されており、ヨーロッパの一般的に高い基準の先制降伏である。

多国籍企業のための制度上の役割は企業がWTOベースのメカニズムの下、異議を唱えてきた規制、例えば、たばこ製品へのプレーンパッケージ要項、生産国ラベル表示、鶏肉への化学洗浄、遺伝子組み換え作物に対する輸入制限などの貿易の技術的障壁に関する章においてさらに発展する。アメリカの草案は「各当事者はその他の当事者の個人を基準の開発、技術的規制、適合性評価手順に参加させる」こと、そして「それぞれの当事者はその当事者の個人に与えるのと同等の条件で、その他の当事者の個人をこれらの方策の開発に参加させること」を規定している。多国籍企業委員会は民主的なプロセスを置き換えている。昨年、発行されたEUの投資の章の草案の中で想起される「規制の権利」は、民主的な意思決定を完全に骨抜きにする規定の観点からまったく意味を持たない。


リークされた文書は他に何を物語っているのか?アメリカは「近代的な農業テクノロジーを使用した製品、例えば遺伝子組み換え作物」の潜在的なEU市場の開放を求めている。衛生と植物防疫のための措置に関する章の草案は、EUにとって遺伝子組み換え作物(GM)の輸入と生産への規制を維持することをより困難にする「科学に基づいた」要項網を作り上げている。EUはアメリカ主導の遺伝子組み換え作物の微量混入に関する国際イニシアチブ、GM農作物の拡大とともに、どこにでも存在するようになったGMに汚染された非GM食品の輸入に対する規制を撤廃することを図ったプログラムに加入することを求められることになるであろう。この「国際的なイニシアチブ」はGMによる密かな植民地化である。

文書は民主主義と労働運動に対してより有害な内容を含んでおり、我々は、すべてが企業のパワーを高める手段であるサービス部門の全リスト、知的財産や金融サービスに関する章すらまだ見ていない。また、リークされた文書は国家の規制的役割を尊重し、労働者の高いレベルと消費者への安全性、そして環境保護を保証する協定として、TTIPを受け入れさせようとしている両サイドの政府の偽善をさらしている。

条約の中心である投資に関しては、投資家の訴訟を扱うための国際投資「法廷」のEUの提案は、アメリカが投資家と国家間の紛争処理(ISDS)のために推し進める非公開法廷の表面上の言い換えである。そのどちらも国際投資家に彼らが異議を唱える考える法律、規制、また、行政、及び裁判所の決定さえにも抗議できる権限を与えるものである。



TTIPRome_0

TTIPへの反対運動は増加し続けている。57日、イタリアのローマでは、イタリアのナショナルセンターCGILCGILの食品労働者組合FLAI、そして市民社会グループによって組織されたデモに40,000人以上が集まり、「STOP TTIP」を訴えた。


カナダEU包括的経済貿易協定(CETA)はISDSを含んでおり、潜在的なTTIPの代理となり、最も有害な形での投資家の「権利」を拡大させた。実質的に、アメリカに本社を置く多国籍企業はすべてEU規制を攻撃するために、ISDSを含んだCETA規定を利用できる子会社をカナダに所有している。

 

企業の攻撃的な姿勢は「最恵国の」メカニズムを通じて、より広範に広まることが可能である。これは、同様に企業と他国の子会社が同様のEUとの包括的な貿易、及び投資の条約とともに、CETAの中に制定された同様の投資家の「権利」を主張することを可能にするであろう。TTIP/CETAは一括取引である。組合は市民社会組織とともに、両方の協約を打ち負かし、対抗の勢いを維持するために、このリークに基づいて行動しなければならないであろう。